アリス・アデールはパリへ。
2年ぶり2度目の来日となったアリス・アデールさんは名古屋、東京、横浜での3公演を終え、日曜日の朝に帰国されました。ご本人はとてもとても今回の滞在を楽しまれたようで、いつも満面の笑みでした。
土曜日のフィリアホールでのコンサートも満員の皆様にお喜びいただき、サイン会の熱気はすごかったですね。
サイン会をするかどうか、ということが開演前、話題にのぼったのです。今回ロビーではボックスセットが販売されていましたが、そのボックスセット以外のCDが、物流のトラブルで会場に届かなかったのです。なので、フィリアホールで販売されたのは34枚組入りの29000円というサプライズな(当たり前ですが)プライスの箱が5ケのみ。
サイン会というのは「CD購入者にのみ」と限定されることも多いですね。そうなると、仮に全部売れたとしても5人しか該当する可能性のある方はいない、ということになり、かえって寂しいことにもなる。やるかどうかどうしましょうか、やらなくていいんじゃないの、そういう風な会話もなされたのでした。
だが、何となく虫が知らせた??私は、ご本人のところへと赴き、かくかくしかじかうんぬんかんぬん、そういうわけでサイン会をしないでよいのではないかという声も出ているのですが、とお話ししたところ(実際には、スーパー通訳者の方を通じてお話ししたのですが。いや、今回のツアーで通訳をお願いしたU様はかつてウィリアム・クリスティなど大家の通訳をされた経験のある素晴らしい方で、全てを、文字通りなにもかもをお任せし、完璧に、いやむしろ完璧を超えるクオリティのお仕事をしていただいたので、私としてはアリス・アデールさんに金メダル、もう一人、U様にも同着で金メダルを差し上げてえと思ったほどでした。私は本当に感謝をしております。アデールさんは英語がほとんどおできにならず、私のフランス語はインチキなので、前回の来日時は英語を話す方が2名、要所要所にいてくれたのでなんとかなったのだが今回はお一人でこられたわけで、そこでフランス語通訳がどげんしても必要じゃろう、となったのでした。以上、とんでもなく長い注釈終わり)・・・。
「私は皆さんにサインをするのは構いませんよ、だって素晴らしい日本の聴衆の皆様とふれあう機会は滅多にあるものではないでしょう?」と静かに、しかし力のこもった目で返されました。私は「やりましょう」と即答しました。
2026年2月14日バレンタインデーの14時、青葉台のフィリアホールにお集まりいただいた皆様にとってとても貴重な機会であるのみならず、これはアデールさんご本人にとっても得がたい時間なのだ、と思ったのでした。
今回各地で多くのアンコールも演奏されましたが、これも同じ意味で、ご本人が納得するまで弾いていたきたい、そう思ったので、こちらでは止めることは致しませんでした(拍手がとまない場合「客電アップ」という荒々しい技があって、客席の照明を明るくするんですね。これをするとほぼすべてのコンサートが強制的に終わるのです)。
フィリアホールではまさかのアンコール、マーラー5番のアダージェットという信じられない曲が炸裂し、関係者一同も驚愕しました。これで終わってもよい、むしろこれでいい、とも思ったのですが、やまぬ拍手に応え、次々と演奏をされていく。これを止めるのはやぼというものであろう。私はそう思いながら、静かに佇んでおりました。
つまり、ご来場いただいた全ての皆様に、そして皆様の為に弾いてくだすったアリス・アデールさんにありがとうございましたと申し上げたいです。
3度目の来日がかなうことを願い・・・羽田空港でバイバイしてきたぜ!!